この記事では、Palo Alto NetworksのファイアウォールにおけるSSL復号化と
脅威防御の関係について解説します。
SSL/TLS通信は暗号化によって通信のセキュリティを高める一方で、その暗号化が
マルウェアの隠れ蓑として悪用されるケースも増えています。
そこで、Palo AltoのファイアウォールはSSL復号化を活用し、暗号化された通信を可視化・
解析することで脅威防御機能を強化しています。
SSL復号化とは?
SSL復号化は、SSL/TLSプロトコルで暗号化された通信を一時的に復号し、その内容を
検査する技術です。
Palo Alto Networksのファイアウォールは、SSL復号化機能を使ってネットワークを
通過する暗号化されたトラフィックを確認し、その中に潜む脅威を検出します。
これにより、通常は見えにくいマルウェアやフィッシング攻撃なども検出できるように
なります。
Palo AltoにおけるSSL復号化のプロセス
Palo Altoのファイアウォールでは、次のステップでSSL復号化が行われます。
クライアントとサーバーの間に介入
ファイアウォールはクライアントとサーバーのSSLハンドシェイクを監視し、
プロキシの役割を果たします。
クライアントとサーバーそれぞれに対してSSL/TLSセッションを確立し、
暗号化された通信を中継します。
トラフィックの復号化
ファイアウォールは中間証明書を使用して、暗号化された通信を復号化します。これにより、暗号化されていたトラフィックの内容を確認できます。
脅威の検出と防御
復号化された通信は、Palo Altoの脅威防御機能(Threat Prevention)によってマルウェア、ウイルス、スパイウェア、エクスプロイトなどの
脅威がスキャンされます。
また、URLフィルタリングやデータフィルタリングなども適用され、危険なコンテンツの流入や情報漏えいを防ぎます。
通信の再暗号化と送信
通信内容が検査され脅威がないことが確認された後、ファイアウォールは再び通信を
暗号化し、サーバーまたはクライアントに送信します。
脅威防御との連携
Palo AltoのSSL復号化機能は、さまざまな脅威防御機能と緊密に連携しています。
以下に主な機能との関係を示します。
- ウイルスおよびマルウェアの検出
SSL復号化によって、従来暗号化によって隠されていたマルウェアやウイルスが
明らかになります。
脅威防御エンジンは、この復号化されたデータをスキャンし、最新のウイルス定義や
マルウェアシグネチャを基に脅威を検出します。 - エクスプロイト攻撃の防止
多くのエクスプロイト(脆弱性を狙った攻撃)は、SSL/TLS通信を通じて隠される
ことがあります。Palo Altoのファイアウォールは復号化されたトラフィックを解析し、エクスプロイト攻撃の兆候をリアルタイムで検出し、ブロックします。 - URLフィルタリング
URLフィルタリングは、ユーザーがアクセスしようとしているウェブサイトの安全性を
評価する機能です。
暗号化された通信では、ウェブサイトのURLも見えなくなりますが、SSL復号化を
行うことでURLを可視化し、危険なサイトへのアクセスを防ぎます。 - データフィルタリングと情報漏えい防止(DLP)
機密データの送信が行われる場合も、SSL/TLSで暗号化されているとその内容を確認できません。
Palo AltoはSSL復号化により、データフィルタリングポリシーを適用し、企業の情報漏えいを防ぐことができます。
実機確認方法
Palo AltoにおけるSSL復号化と脅威防御を実機で確認するためのステップは以下の通りです。
SSL復号化ポリシーの設定
Palo Altoファイアウォールの管理画面で「Decryptionポリシー」を設定し、
復号化対象のトラフィックを定義します。
対象は内部ネットワークと外部のウェブサイトとの通信が一般的です。
脅威防御機能の有効化
管理画面で脅威防御機能(Threat Prevention、Anti-Spyware、Antivirusなど)を
有効にします。これにより、復号化されたトラフィックが自動的にスキャンされます。
ログの確認
脅威ログやデクリプションログを確認して、どのトラフィックが復号化され、
どのような脅威が検出されたかを確認します。
これにより、SSL復号化によって可視化されたトラフィックと、脅威防御の成果を評価できます。
まとめ
Palo Alto NetworksにおけるSSL復号化は、暗号化通信に隠れた脅威を可視化するための
重要な技術です。
復号化された通信は、ウイルス、マルウェア、エクスプロイトなどの脅威からネットワークを
守るためのさまざまな防御機能と連携し、ネットワークのセキュリティを強化します。
適切なSSL復号化ポリシーを設定することで、企業のセキュリティ体制はさらに強固なものとなります。
ただし、プライバシーの保護や法的要件にも十分注意し、運用することが重要です。